おしりの悩みにさよならを

痔核(いぼ痔)の手術を受けられる方へ

●術後の経過

 痔の手術には少し変わった点があります。痔核の部分、すなわち肛門の中と、肛門の外側の皮膚の両方に傷口を残します。肛門は便が通過するので汚れやすいところです。便が肛門内の傷にたまってしまって細菌で炎症を起こしたりしないように外側の皮膚に出口を創っておくのです。すなわち皮膚の傷は、肛門内の傷を早く治すために下水道の役割を果たすのです。これをドレナージといいます。この傷の管理が術後のポイントになります。

 傷のためには、肛門に負担をかけるような激しい運動はよくありませんが、術直後以外は特に安静の必要はありません。大切なのは、肛門の皮膚の傷を清潔に保つこと、そしてきちんとした排便習慣を身につけることです。便秘や下痢は傷口を広げたり刺激したりするので、場合によっては便通調整のためにお薬が出されることもあります。

 理想的な傷の治りはまず肛門の傷が治り、そのあと皮膚の傷が治ることです。皮膚側が先に治ると下水道がつまってしまうことになり、中の傷が治りにくくなります。通常、手術後10~20日で退院となります。傷口が完全に治るまでには手術してから約1カ月を要します。しかし傷が治ってもつっぱった感じなどの違和感はしばらく残ります。弾力性が出て本来の肛門のようになるには数カ月かかります。


術後の経過