図2:痔疾患の頻度 |
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・痔核の症状と分類
それでは男女ともにいちばん多い痔核とは具体的にどのような病気なのでしょうか。
肛門の内側には血管が多数、網の目のように集まっていて肛門を閉じるのに役立っている柔らかなクッション部分があります。
日常生活で肛門に負担をかけることが長く続いていると、このクッション部分が、うっ血したり、クッション部分を支えている組織(支持組織)が伸びたりちぎれたりしてクッション部分自体が大きくなってきます。それが進行すると出血するようになったり、クッション部分自体が肛門の外に脱出したりします。
このようにクッション部分が大きくなり、出血、脱出などの症状を現すようになる状態を痔核といいます。
したがって痔核の症状は最初は出血するだけで、真っ赤で鮮やかな血がポタポタ出たり、パーと飛び散るように多く出ます。痛みは伴わないのが普通です。
痔核の程度が進むと排便の際に脱出するようになります。排便がすめば自然と戻っていたのが指で押し込まないと戻らなくなり、もっと進むと歩いたり立っているだけで出てくるようになり、最後は脱出したままとなってしまいます。
痔核には大きく分けて直腸側にできる内痔核と、肛門側にできる外痔核があります。痔核というと普通は内痔核をさすのが一般的です。